東京高専技術懇談会企業見学会のご報告
平成22年11月8日(月)神奈川県藤沢市にある㈱山武の研究開発拠点である藤沢テクノセンターを見学した。
同社は工業計器大手、空調制御は国内首位のメーカーである。
(藤沢テクノセンター)
(企業見学会の様子)
藤沢テクノセンターは、省エネのモデル工場として位置づけられており、敷地面積29千㎡、 従業員数2千名の大工場であるが、CO2排出量をみると09年度の実績で前年比10.1%削減、 同社独自の指標である原単位でみると90年度比67.5%の実績を誇っている。
当日は、大田会長、安藤・三谷両副会長をはじめ12名が参加、環境安全グループ石倉克浩氏から 具体的な省エネ手法について説明と施設見学を行った。 同社の省エネに関するコンセプトは以下の3つである。
1.測る・・・・3現主義(現場、現物、現実)、データで語る
2.眺める・・・グラフ化→現場を想定して比較→改善案創出
3.制御する・・ここに対策する、全体をマネージメントする
具体的な省エネ対策では、中小企業でもできそうなものもあった。
①照明の効率化とプルスイッチ採用による消灯の励行やブラインド交換により部屋の南面窓側の照明を終日OFFにするなどにより約40%の電力削減
②日本古来の「よしず」を活用したエアコン室外機の効率向上によりCO2換算で年間17トンの削減
上記のような小規模なものから、工場用エア、電力使用量、消費熱量、空調の省エネといった設備投資を伴う ものまでさまざまな対策を見学できた。
同社の省エネ目標は、工場全体の電力量を3年連続して3%以上削減させるという大きなものであるが、 投資の回収にも4年以下(できれば3年以内)といったハードルを設けて採算性を意識しているところも すごいところであった。